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高校2年 4月6日
あ、またか…
茉子はクラス替えのプリントをみて1人で
誰にも聞こえないように言った。
この3ヶ月クラスの一部の子だけだった
かもしれないけど少しだけ努力して
喋るようにしてたのに‥
どうしてなんだろう?
神様は意地悪だ。
そんなことを考えながら
新しい教室へ行くために、
1人で階段を登っていく。
ほとんど知らない子たちと同じ箱で
再び始まる地獄の日々。
春休みに戻りたい…
あわよくば学校なんて辞めてしまいたい。
床だけを見ながら箱の中へ1歩足を踏み入れる。
綺麗な字で板書された座席表を見て
自分の席に鞄を置き、箱の中をすぐに出る。
右手の人差し指の爪を撫で
「あの板書、誰の字だろう?」
そんなどうでもいい疑問で現実を紛らす。
担任発表がある体育館へ向かいながら。
その時はまだ気付いてなかった。これから始まる怒涛の物語に。
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