高校2年 4月6日

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「彩音。トイレ行きたいから先行ってて」 私は心を落ち着かせるために手を離した。 呼吸を整えてトイレを出ると、 さっき体育館で発表された担任教師が プリントの山を見つめながら 「どうしよう。運べないなぁ」 と漏らしていた。 私は先生を見つめているとある瞬間 目と目が合ってしまった。 お互いに目をそらしたあと、先生が 「何?」 と言ったので 「2組のHRで使うんですか? 運ぶの手伝いましょうか?」 「じゃあ、お願いしようかな。」 「半分持っていきますね。」 という流れで教室まで2人で並んで廊下を歩いた。 「名前は?」 と先生に言われて 「本条茉子です。」と答えると 「茉子さんね。よし覚えた。」 と百合のような笑顔で微笑んできた。 教室に着くと 「茉子さんありがとう。」と耳元で囁かれ 私は、心に現れた不思議な感情を抱きながら座った。 HRが始まると、私と同じぐらいの背丈の先生が、左手でチョークを持ち黒板に名前を書いた。
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