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「彩音。トイレ行きたいから先行ってて」
私は心を落ち着かせるために手を離した。
呼吸を整えてトイレを出ると、
さっき体育館で発表された担任教師が
プリントの山を見つめながら
「どうしよう。運べないなぁ」
と漏らしていた。
私は先生を見つめているとある瞬間
目と目が合ってしまった。
お互いに目をそらしたあと、先生が
「何?」 と言ったので
「2組のHRで使うんですか?
運ぶの手伝いましょうか?」
「じゃあ、お願いしようかな。」
「半分持っていきますね。」
という流れで教室まで2人で並んで廊下を歩いた。
「名前は?」 と先生に言われて
「本条茉子です。」と答えると
「茉子さんね。よし覚えた。」
と百合のような笑顔で微笑んできた。
教室に着くと
「茉子さんありがとう。」と耳元で囁かれ
私は、心に現れた不思議な感情を抱きながら座った。
HRが始まると、私と同じぐらいの背丈の先生が、左手でチョークを持ち黒板に名前を書いた。
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