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「ボクはカオルみたいなクールビューティーが好きなんです。カオルに初めて会った時ボクは雷に打たれたかのようにシビれました。リソー(理想)がグゲンカ(具現化)してボクの目の前に現れたんです!」
急に饒舌になって一気にまくしたてる。
「カオル、ほんとサイコー。普段隙のない涼しげな顔してるのに、ボクだけに甘えてくれたりとか、エロい顔見せてくれたりとか、泣きそうな目でねだってくれたりとか。」
「どんな妄想してるんだよ!薫くんに謝れ!」
ガブリエルは全く反省の色なく、ますます妄想を深めているらしい表情で、イヤラしく笑った。というのが事実なのだけれど何しろ見目良いので、美しい天使の顔にしっとりと色が滲む、といった風情に見える。
「それにしても、カオルに男がいるのはソーテーガイ(想定外)でした。」
その言い方には問題があるにしても、確かに、と凛は思う。薫と純央が付き合っているとは想像だにしなかった。薫は芸能人並みに整った顔をしていて、大人びた色気があり、正義感のあるまっすぐな性格や優しさが外見にも溢れている。男から見ても格好いい。それでも、その一線を越えた思いを持つことはない。ただ、薫の方から本気で迫られれば確実に落ちる…とは思っていたが、そんなことはあるはずもなく、薫は間違いなくストレートだと疑っていなかった。
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