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リオの水着はさておき、ヨウスケが履く黄色の海パンがタンスの奥から出て来た。
「履いてみたら?」
ミユキが言うので、ヨウスケはズボンを脱いだ。
「ココで脱がなくても良いでしょ」
ヨウスケはパンツまで脱ぎ、海パンに足を通した。
いつ買ったモノか覚えていなかったが、とりあえず履けると分かった。
「今年で最後だね」
ミユキがウエストのキツさを確かめて、高校生
になれば買い換えるしかないと言った。
「良いんだよ。来年は海に行くかも分からないし」
少しお尻がキツイ気がした。
でもわざわざ買いに行くほどでもないとヨウスケは脱ぎながら思った。
「いつ行くの?」
「来週の日曜かな」
ミユキは洗うから洗濯カゴに入れておくように言った。
「うん!」
ヨウスケは脱いだ海パンと黒いビキニを丸めて浴室のカゴに放り込んだ。
夕飯を作るミユキは台所に立った。
ヨウスケはいつもの様にテーブルに問題集を広げて解き始めた。
以前は「珍しい!」とからかったミユキも、何も言わなくなった。
リオと一緒に北高へ行きたい。
「葉山も北高だって言ってたな」
ふと、ホノカだけが違うのだと気付いた。
いつしか幼なじみも過去の想い出になる。
そんな日がすぐそこまで迫っているのだとヨウスケは思い始めた。
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