Iがある場所で(3)

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夏休みになり、ヨウスケが家にいることも増えた。 ホノカが家に夕飯を食べに来る事もあるが、そんな時もミユキとばかりでヨウスケとはほとんど話さなかった。 「ごちそうさま」 さっさとヨウスケはテーブルのある部屋を出て隣りの部屋に閉じこもった。 残されたホノカとミユキの話し声が壁越しに微かに聞こえていた。 迷いを振り払うように鉛筆を持ち、ヨウスケは問題集を解き始める。 夏休み、学校ではなく市の図書館に場所を変えようと提案したのはリオで、ヨウスケは一緒にいられるなら異論もなかった。 何より気になるのは八月半ばに控えたリオの誕生日で、もちろんヨウスケはプレゼントを渡したかったし、リオの喜ぶ顔が見たいと思った。 ホノカにプレゼントを渡したことはあっただろうか。 廊下の方から二人の話し声がする。 多分、洗い物をしているのだろう。 「いけない。今は勉強する時間だ!」 邪念を振り払うように頭を揺すり、ヨウスケは問題を頭から読み直した。 もう雑音は気にならなかった。それから一時間ほど、ヨウスケはただ鉛筆を走られた。
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