Iがある場所で(3)

4/30
前へ
/30ページ
次へ
湯船に浸かりながら、葉山を好きになったのか、直接ホノカに確かめてみようかとも思った。 「妬いているの?」 少し考えればホノカにそんな事を聞けるはずも無かった。 ホノカが隣りに住み、幼なじみでもある事で余計に胸を締め付けた。 「デブ!」 ヨウスケは居たたまれなくて一言呟いた。 葉山がホノカとキスしている場面を想像した。 そしてあの大きな胸に葉山は幸せそうなに顔を埋めるのだろう。 もう愕然とするしかなかった。 「もう洗ったの?」 そこにバスタオルはなく、だから濡れたまま裸のヨウスケが居間にやって来た。 驚くミユキがいつもの様にクリームを身体に塗り込んでいた。 「ナニナニ?」 巻いていたバスタオルを開けていたミユキに抱きつき、露わになった胸の谷間に顔を擦り寄せた。 「ちょっとヨウスケ。身体くらい拭きなさいよ!」 言葉とは裏腹にミユキはヨウスケを抱きしめた。 柔らかな胸の中で、ヨウスケは言いようのない不安を癒やそうとした。 「なんかよく分からないんだ!」 「どうしたの? 何があったの?」 しばらくしてヨウスケが言った。ミユキが横たわったヨウスケの頭を優しく撫でていた。 こんな時、どうしたら良いのだろう。 ヨウスケは自分の感情をコントロール出来なかった。 「良いのよ。良いの。ママはいつでもヨウスケの味方よ」 ひざ枕をするミユキを見上げた。 「モォ、ヨウスケは赤ちゃんなの?」 ヨウスケは目の前に迫った乳首を咥えた。 舌で何度か舐めてから、吸い付いた。 ミユキが腕の辺りをゆっくりとしたテンポで叩いている。 目を閉じたヨウスケは、そのリズムに合わせて優しく吸い続けた。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加