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見に行こうと言ったのは、ヨウスケの方だった。
「ホノカもいるかな?」
リオは観客の中からホノカの姿を探した。
「ほら、あそこ!」
演奏する葉山に一番近い場所で膝を抱えているホノカがいた。
歌う葉山を一瞬も目を離さずホノカは見つめ続けた。
「行ってみよう!」
リオは言い出したのに戸惑うヨウスケの手を掴んだ。
引っ張られながら、ヨウスケは公園の中にある石階段で囲まれた一角に歩み出た。
葉山がニコリと微笑んだ。そして、アゴ先でホノカにも伝えた。
リオと手をつなぎ立つヨウスケを見つけた。
立ち上がったホノカが腕を振り二人を呼び寄せる。
リオは「行こうよ!」とヨウスケに提案する。
葉山にもホノカにも、リオとの関係は曖昧にして来た。
ヨウスケは寄り添うリオと一緒にホノカや葉山に頭を下げた。
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