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演奏しているのは葉山だけではない。
しばらくすると簡易的なステージから降りてきた。
すぐに別の演奏者が挨拶を始める。
知り合いなのか、ファンなのか、お揃いのウチワを手にした三人組の女子たちが「ファイト!」と叫んだ。
「いつからココで?」
ヨウスケがギターケースを肩に担いだ葉山に言った。
「中一の夏。知り合いに誘われたのがきっかけだよ」
葉山はそれをホノカにも話したのだろう。ホノカは葉山の顔を見て頷いていた。
「葉山くんとホノカが仲イイの知らなかった」
「リオだって。それに、私服見たの初めてかも。学校の時とイメージ違うね」
そんなホノカは、黒のタンクトップを着て、同じ色の下着の肩紐を大胆にも肩先から落としていた。
「ホノカって、大人っぽい!」
少しも照れずに、ホノカは胸を突き出していた。それが逆に健康的で変な嫌らしさも感じさせなかった。
「これからどうする?」
落ち着いた面持ちの葉山がオドオドとしたヨウスケに訊ねてきた。
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