片桐 春樹

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白い息を三回吐いたあと、ハルは口を開いた。 「確か、ナントカ同盟、みたいな感じだった。何て名前の同盟だったっけ…」 「その『ナントカ』の内容は、なんとか思い出せない?」 ハルは残念そうに首を横に振った。 思い出せないものはどう足掻いても思い出せない。それは昨日の電車の中で経験済みだったから、私もこれ以上強いることはなかった。 「そっか…」 まあ、ナントカ同盟ってことだけでも分かったし。 これで私の目標は無事に達成された。 タイムカプセルの大体の内容と、一部のみ分かったグループ名。そして何より、三人に再び出会えたことが何よりも収穫だ。 …と綺麗な形で自己完結させようと思っていたけど、忘れかけていたことがあった。
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