13人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
一瞬一瞬がスローモーションのように見えた。
彼は振り向き、少し口を開いて、
「…奈津。」
昔の面影を残す顔を、ふわっと緩めた。
ああ、この顔が好きだった。この顔が見たくて、よく用もなく君の名を呼んでいたっけ。
「ハル…元気にしてた?」
「うん、まぁ。奈津も元気そうだね。ていうか、どうして奈津がここに?」
早速本題に入れそうで良かった。懐かしさの波に呑まれる前に。
「昔作ったタイムカプセル、覚えてる?」
ハルは一瞬きょとんとして、すぐに納得したような顔になった。
「あったね、そういえば。」
さすがハル。隼人くんと並んで頭が良かっただけある。
最初のコメントを投稿しよう!