片桐 春樹

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頭の中で将平が騒ぎ、隼人くんは無言の圧力をかけてくる。 はいはい、言えば良いんでしょ。 「ハル、あのね、」 すうっと冷たい空気を吸い込んだ。 「実は私、小学校の時、ハルのことが好きだったの。」 ああ、そういえば昔、私たちの名前って『春と夏』って季節繋がりで、運命だなんて思っていたなぁ。 目から涙が流れそうになったのは、急に吹き付けた冬の鋭い風が、つんと染みたせい。 ハルは目を見開いて、それから泣き笑いのような表情を浮かべた。 「俺も好きだったよ。」 これで全て終わった。タイムカプセルの謎解きも、幼き日の恋も。 そう思ったのに― 心なしか、私を見つめるハルの目が熱を帯びていた。 「もし、今でも好きだって言ったら…?」
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