13人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
頭の中で将平が騒ぎ、隼人くんは無言の圧力をかけてくる。
はいはい、言えば良いんでしょ。
「ハル、あのね、」
すうっと冷たい空気を吸い込んだ。
「実は私、小学校の時、ハルのことが好きだったの。」
ああ、そういえば昔、私たちの名前って『春と夏』って季節繋がりで、運命だなんて思っていたなぁ。
目から涙が流れそうになったのは、急に吹き付けた冬の鋭い風が、つんと染みたせい。
ハルは目を見開いて、それから泣き笑いのような表情を浮かべた。
「俺も好きだったよ。」
これで全て終わった。タイムカプセルの謎解きも、幼き日の恋も。
そう思ったのに―
心なしか、私を見つめるハルの目が熱を帯びていた。
「もし、今でも好きだって言ったら…?」
最初のコメントを投稿しよう!