1章

6/20
前へ
/156ページ
次へ
切れた手から血がドクドク溢れだしてきた 尋常じゃない痛み 夢……夢であって欲しかった。 そろそろ本当に現実って思わないといけないのかも。 「てめえ馬鹿!? 自分から刃払うやつがいるか!?」 「……。」 じんじんする切れた手のひらを見ながら、この途方もない現状に泣きたくなってきた。 既に目の奥が熱いんだけど……。 「ふふ。あんた面白い。てか大丈夫?」 懐から手ぬぐいを取り出し傷に巻きつけてくれた。 そんな優しさいらないよ 「どうしたの?泣かないでよ。あーだから女はめんどくさい。玄瑞呼んで!!早くね!!」 私は無意識に泪を流してた。 あの刃物……刀 威勢のいい声の持ち主がうちに向けていたのは、時代劇でよく目にする刀 ぼやけた視界に海で会った美男子。 名前知らないなー助けてもらってばっかだ。 ふと目があった。 「ふふ。とりあえず抱っこして部屋に運ぶよ。」
/156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

82人が本棚に入れています
本棚に追加