82人が本棚に入れています
本棚に追加
切れた手から血がドクドク溢れだしてきた
尋常じゃない痛み
夢……夢であって欲しかった。
そろそろ本当に現実って思わないといけないのかも。
「てめえ馬鹿!? 自分から刃払うやつがいるか!?」
「……。」
じんじんする切れた手のひらを見ながら、この途方もない現状に泣きたくなってきた。
既に目の奥が熱いんだけど……。
「ふふ。あんた面白い。てか大丈夫?」
懐から手ぬぐいを取り出し傷に巻きつけてくれた。
そんな優しさいらないよ
「どうしたの?泣かないでよ。あーだから女はめんどくさい。玄瑞呼んで!!早くね!!」
私は無意識に泪を流してた。
あの刃物……刀
威勢のいい声の持ち主がうちに向けていたのは、時代劇でよく目にする刀
ぼやけた視界に海で会った美男子。
名前知らないなー助けてもらってばっかだ。
ふと目があった。
「ふふ。とりあえず抱っこして部屋に運ぶよ。」
最初のコメントを投稿しよう!