カツアゲ

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「何すんだよじゃないよ。 ちゃんと授業聞いて、勉強しないと。」 「だからって殴ることねーだろ!」 2人の声に、教師を含め全員が注目する。 「おい、香山……。」 「「はい?」」 晴斗と優斗、2人が振り返る。 「今授業中だぞ。喧嘩はあとでやれ。」 教師はそう言いながら、コホンと咳払いした。 兄の名は香山晴斗。 弟の名は香山優斗。 2人は一卵性の双子である。 「喧嘩じゃありません先生。れっきとした注意です。」 「はっ今の注意なの!?俺の知ってる注意と違うんだけど!!」 「大体兄さん、いびきうるさいんだよ。集中して授業聞けないじゃん。」 「聞けるようにお前がすりゃーいーだろ!」 「んだとバカ兄ーーー!!」 「んだとバカ弟ーーー!!」 「お前らうるさい!!2人で廊下に立ってろ!!」 わはははは!! 教師の怒鳴り声に、クラスが沸いた。 「なんで僕まで……。」 廊下に立たされ、バケツを持つ優斗。 成績優秀な彼は、不満を醸し出していた。
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