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「やったなぁ……。」
優斗はたかが外れたのか、ニヤッと笑って、晴斗に向かってバケツを振り回した。
バシャァァン!!
晴斗に水がかかったが、晴斗はなぜかマイケルジャクソンのようにかっこいいポーズで水を浴びていた。
そんな晴斗に、優斗は腹を抱えて笑う。
(ま、1回ぐらい授業サボったって、どうってことないか)
優斗は微かにそう思った。
兄の天真爛漫な笑顔を見てると、どうでもよくなるのが不思議だ。
「んじゃ、ゲームセンターな。」
「はいはい。」
陽気に笑う兄と、呆れ笑いの弟は、パチンとハイタッチをした。
幼い頃から、2人は何かとハイタッチをする癖があった。
いたずらが成功する時や、協力し合う時などに、だ。
。。。。。
「うっしゃあああおーれの勝ちーー!!」
ハンドルを物凄い勢いで回す晴斗は、画面の「WINNER」という文字に声を荒げた。
「負け戦だって。僕が兄さんにゲームで勝てる訳がない。」
ハンドルをブルンと高速回転させ、気力を失ったように優斗はドライブゲームの席から降りた。
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