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「悪くないよーあの猫可愛いもんなー。」
「バカにしてんだろ!今心の中で!」
「アハハ、してないってー。」
ポカポカ殴ってくる弟をあしらい、晴斗は慣れた手つきで100円玉を機械の溝にするりと入れた。
「えっ、兄さ……。」
「取ってやるよ。」
唖然とする優斗。
晴斗は慣れた手つきで、しかも口笛を吹くという余裕っぷりで、ボタンを押した。
ウィーン……
ぬいぐるみはがっしりとアームに捕まれ、上を移動する。
ガタンッ
「ほれ。」
さも当たり前のように、晴斗は優斗にぬいぐるみを突き出した。
「……う、上手すぎか……。」
あまりにもスピーディーなプレゼントに、優斗は動揺が隠せなかった。
「まぁ、こんくらいしてやりますよ。兄貴だし。」
「……あ、ありがと……。」
胸の中に猫のぬいぐるみを囲み、ぎゅっと抱きしめると、ぬいぐるみはなぜか暖かかった。
「いーよいーよ。つーかマジその猫可愛くね?にゃーにゃー。」
晴斗は、ぬいぐるみがまるで本物の猫かのように撫でた。
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