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そうしてしばらくゲームセンターで遊び、夕暮れの街を帰る。
しかし真っ直ぐ帰りはしない。
今日の夕食や明日の朝食の買い出しをしなければならなかった。
晴斗と優斗の両親は、去年他界した。
飲酒運転による交通事故で。
親戚が味方をしてくれ、相手からは多額の慰謝料をもらうことができた。
しかし2人を招いてくれる家庭はどこにもなかった。
香山家は元々裕福な家庭ではなかった。
父は工場勤め、母はパートだった。
しかし晴斗と優斗にとって、2人は大切な存在だった。
その肉親がいなくなり、2人は本物に『2人』になった。
幼い双子は実家を出、東京のボロアパートに引っ越した。
決めたのだ。
2人で一緒に生きていけると、天国のお父さんとお母さんに証明しよう、と。
スーパーに行くと、2人は必ず噂される。
『すごい、双子だ。』と。
そんな目線は気にもせず、2人は野菜コーナーや精肉コーナーをウロつく。
「優斗ー、今日のメニューどうする?」
「どうしようか……うーん。」
カゴを押す晴斗と、その後ろを歩く優斗。
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