204人が本棚に入れています
本棚に追加
2人はうんうんと唸るが、同時に顔を上げた。
「「アジの開き!」」
ぴったりハモったその声に、2人して大爆笑した。
「さっすが双子だな俺達。」
「だね。」
「幽体離脱しちゃう?」
「ざたっちしねーよ!?」
たわいもない会話をする晴斗と優斗は、それから魚コーナーへと移動するのだった。
。。。。。
アパートの一室。
風呂やキッチンはついているので、生活はなんら不自由していない。
「優斗、風呂空いたぞ。」
Tシャツにスウェットを着た晴斗が、タオルを頭に乗せて部屋に着た。
「後で入る。」
優斗は簡易テーブルで、参考書を広げている。
「お前まだ勉強してんの?」
ひょこっと晴斗が覗き込む。
「うん。」
参考書から目を離さないまま、優斗は返す。
「……兄さん、笑わない?」
「唐突にどうした。」
「……僕、教師になりたい。」
「教師?」
「うん。」
シャーペンを止め、兄に微笑む弟。
「僕、絶対教師になるよ。」
最初のコメントを投稿しよう!