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「優斗……。」
晴斗は呟いてから、ガバッと勢いよく優斗の手を取った。
「むっちゃいーじゃん!!合ってるわ!!ナイスナイス!!
兄ちゃん全力で応援すっから!!」
ブンブン手を振る晴斗に、優斗は「痛い痛い!」と言いながらも、嬉しそうにはにかんだ。
「いやー素晴らしっすね!夢があって希望がありますね!ではおやすみ!」
晴斗はあらかじめ敷いていた布団にダイブし、一瞬で寝始めた。
「ぷっ、なんなんだよ、真剣なんだか適当なんだか。」
優斗は思わず笑う。
(馬鹿にするどころか、心から応援してくれるとか……)
晴斗のさっきの言動を思い出し、優斗はにやける。
テーブルの上には晴斗が取ってくれた猫のぬいぐるみがある。
まるで晴斗のように、自分の勉強の応援をしてくれてる気がした。
(兄さんは本当いい兄さんだよ。馬鹿だけど。とてつもなく馬鹿だけど)
優斗はぬいぐるみを見ながらクスクス笑い、風呂に入るために腰を上げた。
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