カツアゲ

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文句を言う兄を適当にあしらい、優斗はリュックを背負った。 下駄箱に移動し、上履きを脱ぐ。 『香山晴斗』と書かれたテープが貼ってあるスペース。の下にあるスペースには、『香山優斗』と書かれたテープが取れかけてあった。 (そういえば、靴もリュックもお揃いなんだよなぁ) 優斗は下駄箱から、晴斗と同じ見た目のスニーカーを抜き出した。 サイズも同じなため、履き間違えても絶対気づかない。 晴斗の靴は、かかとを踏んでいるからか、その部分が凹んでいた。 (今日は兄さんの好きなハンバーグにしようかな。 スライスチーズを乗せて……あと粉ふきいもも) そんなことを考えながら歩道を歩いていると、 「どういうことだよ!あん?!」 と、通った路地裏から怒鳴り声が聞こえてきた。 (な、なんだ?) 好奇心と恐怖心が半々であった優斗は、路地裏をそっと覗いた。 見えたのは、金髪や茶髪の後ろ姿と、地味な男子中学生だった。 「5万持ってこいって言ったじゃねーか!殺すぞてめぇ!」 「す、すみません!」
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