204人が本棚に入れています
本棚に追加
某年7月。
某県の某所にて、2人の子供が産まれた。
0時31分、香山晴斗(かやまはると)が誕生。
その数分後、香山優斗(かやまゆうと)が誕生した。
2人は双子であり、兄の晴斗は弟のことを「優斗」と、弟の優斗は兄を「兄ちゃん」と呼んだ。
両親は双子の息子達を可愛がり、お揃いの服を着せ、同じ髪型にした。
晴斗と優斗はそれをいいことに、よくいたずらしては周囲を困らせた。
例えば、夕飯のおかずをつまみぐいした時は、片方の口に汚れをつけ、母にこう言うのだ。
「「どっちがつまみぐいしたでしょーか?」」
と。
母親が呆れていると、2人はハイタッチをして喜ぶのだった。
兄の晴斗は明るくてお調子者。
弟の優斗は優しくて生真面目。
双子でも、性格は正反対に育った。
晴斗と優斗は、四六時中一緒に遊んでいた。
特に2人が遊んだ場所は、近所にあるひなげし畑だった。
森の外れにある、赤い花が咲いた場所だ。
そこは2人の秘密の場所だった。
最初のコメントを投稿しよう!