晴斗と優斗

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2人は顔が似てたため、どっちが晴斗でどっちが優斗かは、見た目だけでは親にもわからなかった。 性格、口調、声で判別するのがやっとだ。 「優斗君。おやつの時間よー。」 と、幼稚園の先生が言うと、その子は振り返る。 「うん!食べるー!」 「あっ、兄ちゃん。」 「げっ、優斗!」 「あー!君晴斗君なのね?!」 そう言うと、「兄ちゃん。」と言った方の子が手を挙げる。 「いや、実は俺が晴斗。」 「そ、僕が優斗。」 「もーーーどっちよーーー!!どっちがどっちか正直に言わないとおやつあげないわよ優斗君!!というか晴斗君はさっき食べたでしょ!?」 「ごめんなさい僕が優斗です。」 「ちょっと兄ちゃん!?優斗僕!!」 『いたずら好きの双子』 近所で2人はそう言われていた。 そしてこうも言われていた。 『仲のいい双子』とも。 「兄ちゃんって本当にかっけーよな!僕、そんな兄ちゃんが大好きだ!」 「俺もだぜ優斗!」
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