カツアゲ

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○○中学校。 3年生のとあるクラスでは、授業が行われていた。 「すかー……すかー……。」 教科書を枕にし、机に突っ伏しては気持ちよさそうに寝ている男子が1人。 黒髪には金のメッシュが一ふさ。 学ランをダボッと着こなし、前は全開。 「おい。」 隣の男子が声をかける。 顔も髪型も髪色も寝ている男子と瓜二つ。だがメッシュは入れておらず、学ランは前まできちっと着ている。 寝ている男子の弟のようだ。 「すかー……。」 「おい、起きろよ兄さん。先生気づくよ。」 「……すかー……。」 「ハァー……兄さん。」 ゆさゆさと隣の弟がゆさるが、兄は一向に起きる気配がない。 「すかー……。」 「……おいクソ兄貴……。」 プルプルと体を震わす弟は、辞書を握り振り上げた。 「起きろって言ってんだろーが!!」 ガァァン!! 鬼のような形相で、弟は辞書の角で兄の頭を殴った。 「いっ……てぇ……何すんだよ優斗!」 兄ーーー晴斗は頭をさすりながら弟に文句を垂らした。
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