一目惚れ

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「もしかしてなんだけど、この先に居酒屋ってあんまりないよね?」 「あ、そうでした。 いつもの癖で...戻りましょうか?」 「いや。 行こう」 そのまま歩いて五分。 いつもの居酒屋に二人して着いたときには顔を見合わせてしまった。 「もしかして、ここ?」 「課長もですか?」 「ここでいいの?」 「私は構いません」 戻ってもなぁと思い暖簾を潜る。 「いらっしゃい! あれ? ともちゃんと繁ちゃんじゃないか。 知り合いだったのかい?」 「えぇ。 座敷空いてます?」 「好きな場所どうぞ」と言われ奥の席にする。 「ごめん。座敷で。 大丈夫だった?」 「はい」 「なんか...カウンターだと気まずいかなって思って」 「それは私も思いました。 いつもネタケースの前の奥の席に座ってるので」 「え?俺もだよ。 何だか落ち着くんだよね」 お飲み物はと聞きに来られたので、 会話が弾みだしたのにおかみさんのバカヤローと思いつつ生2つと注文する。
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