一歩

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「あの、この車......」 「一応うちの女房はもう居なくてね。 今いるのは運転手と家政婦ぐらいだよ」 お墓の場所を運転手に告げ、 「君たちの家にもいるね」 「なにが?」 「家政婦」 「要りません......」 「だが、大変だろう?これからお腹も大きくなるんだし」 「これが普通なんだと思いますけど」 「そうか、困ったことがあったら言ってくれ。何でもしよう。いや、させてくれ」 「有難うございます。でも、今は二人でやってますので大丈夫です」 「私にはわからんが、困ったらいつでもいいなさい。 それと、宗派がわからなかったから花にしたけど大丈夫かね?」 「はい。ありがとうございます」 車だとお墓につくのも早く、 掃除をし、お線香をあげ手を合わせる。 以外だったのが、社長自ら雑巾を絞り掃除をしてくれたことだった。 お墓の前で兄さん本当にすまないと言っていたのが印象的だった。 その後はせっかくなので、家に寄ってもらい、お茶を出す。
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