一歩

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「母親教室にも、父親教室にもいきました。 お風呂の入れ方や抱き方など教えてもらうんですが」 「そんなのがあるのか」 「妊婦の重さってゆうのも体験しましたが、 体が重くて大変で......」 「じいさん教室はないのかな?」 「き、聞いてませんけど、きっとすぐになついてくれますよ」 「だがもう4時かんだぞ?」 「はい。あ...... 消えましたよ!」 二人して扉に駆け寄る。 「手を消毒してください。 すぐに保育器に入れますので」 言われるがまま消毒し、そっと赤ちゃんにさわる。 「小さい......」 「しっかりした顔をしておる。 きっと言い子に育つ」 小さな手を握っていると、先生が出てきた。 「おめでとうございます。 2078gの男の子ですよ。 思ったより大きかったですが、しばらく保育器に入ります」 「あの、とも...妻は?」 「本当によく頑張りました。 途中で意識がなくなり掛けても、頑張ってました。 一応様子見もかねて多めに入院してもらいますが」
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