一歩

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「部屋はVIP室しかだめだ! 院長に言え」と名刺を渡す。 「普通の部屋で......」 「このぐらいはさせてくれ」 子供は保育器に入れるとの事でつれていかれたが、 先生はビックリしている。 「空いているか確認しませんと」 「空いておるわ。 ちょっと待っておれ!」 と、どこかへ電話を掛けている。 「ふん。空いてるそうだが? 1番良い部屋にしてくれ」 「わかりました」と先生が看護婦さんになにかを言い。 「赤ちゃんが2500gになるまで、保育器からは出れません。 面会は可能ですが、除菌と、紙の服を着用していただきます。 奥さんの方ですが、出血が多かったわりに、輸血の必要はありませんでした。 今は脱水にならないよう点滴をしていますが、今日、明日は特にゆっくりさせてあげてください」 「わかりました」
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