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最初のデートとも言える彼女のおすすめの店へ行って以来、
月末に近かったせいもあるが、徐々に忙しくなっていき、
毎日のおはようとお休みのLINEだけで終わることが多くなってきた。
有給も二人とも同じ日に取れ、歓迎会が終わって落ちついたら行こうと約束はしたものの、そこから話は進んでいない。
あっという間に毎日が終わり歓迎会も無事に終わったが、中々二人で会う機会がなく、流石に毎日会社で顔は会わせているけど、最近ゆっくり話もできていないので、久しぶりに食事でもいかないかと何度か誘ったが、毎回調子が悪いとしか返事も来ず、少し苛立ってきていた。
我慢が出来ずに、ちょうど廊下を歩いていた彼女の腕をつかむ。
「いたっ...」
周りのことは気にも止めずに、壁に彼女を押しやる。
「朋ちゃん!俺のこと嫌いになったの?
俺はどれだけ忙しくても、せめて週末だけでも会いたいって思ってるんだけど!何で拒否るの?」
数人が振り返るが構わない。
廊下にも何人か顔を出してるやつもいるが、それも無視!
「そんなことない。嫌いじゃないよ?でも今は会社だから...
それに声大きいよ...バレちゃうよ?」
「俺はそんなことはいいんだよ!」
と壁を叩く。
ビクッと怯える彼女に構わずに、腕を再度押さえるとまた痛いと言われる。
そんなに強くは握っていないはずなのに。
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