The 3 minutes show

5/22
前へ
/22ページ
次へ
人として生まれて来たのであれば、『特別な存在』になりたいと、誰もが一度は思った事があるだろう。 子供の頃は良かった。 夢や希望に満ち溢れていて、勉強やスポーツが出来なかったとしても、未来という不確かなものに憧れ、自分はいつか輝きを放ち、人から羨まれる存在になれるのだと、疑いもしなかった。 大人になるにつれ、自分の理想と現実がかけ離れていく事に気付き、『諦める』自分に慣れてしまう。 僕は、特別な存在になりたかった。 特に明確な野望があった訳ではない。 ただ、平凡な人生は嫌だ。 そして、僕はついに選ばれたのだ。 その能力に気付いたのは、今から一ヵ月程前になる。 その時の僕は、長い就活期間によって、やっと内定を貰った会社を半年足らずで辞め、毎日する事もなく、日がな一日パチンコ店で時間を潰していた。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加