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「今時の若い者は___」と二言目にはグチグチと文句を言うハゲ上司だった。
「身なりが」「言葉遣いが」と、僕のすることなすことがいちいち気にいらないらしい。
きっと嫁からも娘からも「ハゲ、キモイ」とか言われて、家庭での居場所がないんだろう。
日頃の鬱憤を、若手社員をいびる事で、紛らわせているようだった。
我慢はした。自分なりに。
けれど、ある日、堪忍袋の緒が切れた。
気付いたら、僕は上司の胸倉を掴んでいた。身長も平均値で、体格も筋肉質ではないが、大人しいと思っていた部下の突然の攻撃に、驚いたらしい。
その上司は、腰が抜け、その場にへなへなと倒れ込み、挙句の果てに失禁してしまった。
情けない姿だった。このハゲの下で、これからもへこへこしながら愛想笑いをしないといけないかと思うと、僕の未来には絶望しかない。
そう思った瞬間、僕は会社を辞めようと決心したのだ。
職を失ってからの日々はダラダラとしたものだった。
昼頃に目覚め、寝間着兼普段着のスウェット姿のまま、近所のパチンコ店に向かう。
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