16人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
―12月某日。
ダイニングバー「ルナ・ノーチェス」の店員達は、市内の児童養護施設を訪れていた。
ベージュカラーのVネックニットを着た春日陶子。
白のシャツと落ち着いた赤色のセーターを着た明石修治。
ひざ丈のニットワンピースを着た明石京。
兄夫婦について来た修治の妹、沙織。
白のノルディック柄セーターを着た井上誠一。
交際相手の誠一に誘われて来た藤野綾。
ワインカラーのボーダーニットを着た火野弦。
紺のタートルネックセーターを着た佐々木翼。
そしてコック帽の代わりにサンタ帽をかぶった店長。
両手にプレゼントや差し入れを目一杯抱えた彼らは、折り紙や風船を使って飾り付けられたホール兼食堂の中に入っていく。
「今日のクリスマス会に参加する皆さんがいらっしゃいました。みんな拍手!」
弦の恋人、神楽恵の言葉をきっかけに、たくさんの拍手がわき起こる。
「皆さん、こんにちは!」
代表してマイクを握った修治が挨拶すると、すかさず子供たちから元気な挨拶が返ってきた。
「こんにちはー!!」
「今日はクリスマス会に参加させていただきありがとうございます。短い時間ですがみんなと仲良くなって帰りたいので宜しくお願いします!」
最初のコメントを投稿しよう!