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「次は皆さんお待ちかねのプレゼントタイムです!」
ツリーの下にある子供達へのプレゼントは全てクリスマス会事務局の呼びかけに応えた有志の厚意によって準備されている。
子供達から3千円に収まる範囲でプレゼントのリクエストを受け、1人ずつ担当を決めて用意している。
京と修治が担当したのは5才の男の子に贈るプラレール。
二人して慣れないおもちゃ屋に突入して探したのだが、それだけで不思議とワクワクしたのだった。
「ありがとう!」
クリスマスツリーの前で、修治と京は男の子を囲み、3人揃って満面の笑顔で写真を撮った。
(なんだか不思議ね)
そう、京は思った。
数年前はクリスマスを楽しむ気持ちさえ忘れていたのに。
今はすぐ隣で修治が笑っている。
義妹の沙織も笑顔で自分達を見守っている。
何より自分が心から笑えている。
それは、自分の居場所を、家族を見つける事が出来たから。
―その幸せに感謝することを忘れずにいようと、京は改めて心に誓った。
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