季節の変化

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「これで……よし! ほら~美希はこんなに美人だ!」  満足な遊香に対して「遊香ちゃん~」と泣きそうな声になっている。何せ、眼鏡取られると前が視えない。  しかし、それ以上に…… 「――み、美希ちゃん……だよね?」 「まあ、赤松さんは、眼鏡外すと雰囲気がこんなに変わるのですね!」  母雲と彩魅の反応に、我が物顔で…… 「どうよ? この服装でこの髪型なら……美希別人だろう?」  自信満々に言うが、本当に別人。眼鏡は目元を覆うだけに、印象変わるけど、美希は眼鏡無いと……実は美人さんだったようだ。 「あ、あの~視えないんだけど……」  それ以上に、皆の表情が見えないので、困り果てる。結果的に、何も見えないのでは意味が無いとなり、眼鏡を返して貰い、漸く話の本題が出る。 「さてと~さっさと用事済ませて、遊びに行こうぜ~!」  一番、美希を弄り、時間を遅らせた本人が、何事もなかったのかように話を始めるが…… 「えっと……お店の地図はユウちゃん持ってるんだよね?」 「持ってる! えっと……」  バックをゴソゴソと探し始める。  ――ゴソゴソ、ゴソゴソ、それはもう必死に探し…… 「あれ? ……無いや」  苦笑いに合わせ、目が泳いでいる。 「無いって……持ってくるの忘れたの?」 「多分、部屋の机……いや、学校の机かな……ああ、でも、大丈夫だ! こんな事もあろうかと~ほら、スマホで一度ルート検索してたんだ! さすが~だろう!」  ――抜かりないでしょう! そんな満ちた発言に、しょうがないね。と言う笑みを浮かべた母雲と美希であるが、それ以前に、スマートフォンにそんな機能があるのを今知った彩魅が「まあ!」と声を出して、三人の目が点になっていた。   無理も無いと言えば、無理も無いかも知れない。彩魅がスマートフォンを持ったのも、つい、一ヶ月前である。  母雲も同時期でガラケーからスマートフォンに機種変更したが、以前からナビゲーションアプリとか地図アプリは知っており活用していので、その辺には抵抗無かった。  彩魅が物珍しそうにしていたので、彩魅のスマートフォンを使って、説明と実践する話になり、やり方を皆でワイワイ教え、行き先へと移動を開始しした。
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