第12章 卍(まんじ)

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第12章 卍(まんじ)

「鳴海静とか言ったな――おまえは幸せ者さ」 鎖を引く音。 新たに繋ぐ音。 服を脱がされる衣擦れと 徐々に乱れる息遣い。 「どうして……?」 「足も開け」 「そんな……」 「できるだろう?」 「律お兄様っ……」 「こうだよ。緊張するな。いつもしている通りにすればいい」 「やめてっ……アア!」 他人の家のベッドで 堂々恥を晒す。 どうしてこんな僕が 幸せだと言える?
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