第12章 卍(まんじ)
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冷たく微笑む観客の視線が 気にならなかったと言えば嘘になる。 だけど――。 「……はい」 見下ろされ頬を撫でられれば 僕は震える声で答えていた。 「……逆らいません」 真直ぐに目が見られない。 そのクセが加虐者の欲望を煽るんだと 何度言われても。 「いい子だ」 「ンンッ……!」 ご褒美代わり もう一度唇を塞がれ僕は身悶えた。
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