98人が本棚に入れています
本棚に追加
「それ……どういうこと……?」
「分かるだろう?」
ワイングラスを手に
律は拘束された僕を気の毒そうに見下ろした。
「あいつの自己顕示欲の強さ。おまえなら知ってるはずだ」
ぞっとする。
計算づくの瞳が優しく微笑む。
「何不自由ない暮らし、誰もが認める美しい恋人、おまけに異例の出世。研究生2年目でトップダンサーとして凱旋だ」
まさか――。
用意周到に整えられた人生。
「みんなあなたが与えたものだというの……?」
最初のコメントを投稿しよう!