第12章 卍(まんじ)

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ただそれだけで――。 ピクンと 僕の身体が跳ねる様を見て 「やっぱりおまえは幸せ者だ」 天宮征司は念を押すように しみじみと言った。 「身をもって人生哲学を学んでる」 窮屈な襟元を緩め ベッドの端に腰かける。 と――。 「それも一番気持ちいいやり方で」 品定めするように 僕の脇腹をそっとなぞった。
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