第12章 卍(まんじ)

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「義理堅いな、君も」 「なんだって?」 「知ってるよ。あの頃からずっと物にした子に一途なんだろ?」 クスリ笑って 律は上着を脱いだ。 「どうだか」 とぼけたフリして天井を仰ぐ。 「いい子だよ、君は」 律が言うと 天宮征司は自嘲気に笑って 「本当にいい子なら他人のセックスを鑑賞したりはしないさ」 血のようなワインを傾けた。
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