第1章

2/2
前へ
/2ページ
次へ
今は午前一時を少し回った頃。 外はしとしとと雨か雪が降っていた。 僕はサンタさんなんか信じていない。 何故って、本当にサンタさんがいるのなら、もっと世界は平和でみんなは笑顔で、僕はここになんかいないはずだから。 「一年だけ。わかる? 一年だけ我慢してね!」 まだ僕がずっとずっとサンタさんがいると信じていた頃、ママが早口で言い聞かせた。 早口で話す時は口答えしてはイケない。 足に出来たままの火傷がその訳を教えてくれる。 だから僕は何も言わずに、ココに連れて来られてきた。 あれから何年が経ったのだろう。 幾度となく「Merry Christmas!」と意味もわからずに叫んだのだろう。 でも今年は少しだけサンタさんがいるような気がする。 多分、去年も来年も同じ事を僕は思い突っけるのだろうけど。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加