第1章

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この辺なんかいいかな。 周りを見渡しても草木が生えているだけで他には何もない。 あたりには誰もいないし問題ないだろう。 「さて出してみるか。」 右手から青白い光が伸びると剣の形になった。 まず気づいたことは重さがない。剣速はあがるが違和感はある。 次に気づいたのは大きさは変えれない。 「伸びろ如意棒!」 やはり変わらない。 「後は持続時間と実戦だな。」 とりあえず封魔剣を出したままモンスターを探した。 あたりも少し薄暗くなってきたがいい懐中電灯変わりになった。 「いたいた。」 そこには赤毛の犬型のモンスターがいた。ただおかしな点がある。大抵犬型のモンスターは群れて行動する。 ゆっくり近づきよく見ると首輪がしてあった。 「なんだ飼い犬か」 僕が近づくとゆっくり近づいてきた。人慣れしているのだろう。 「よしよしおいで。」 「ポチに近づくなー!」 後ろから特大のファイヤーボールが飛んできた。驚いて反射的に封魔剣で切るとなんとファイヤーボールは消えてしまった。これは素晴らしい発見だ。つまりこれはユリスのファイヤーボールも消せるということだ。ふっふっふと笑っていると次は変則的に動かしながら複数のファイヤーボールを飛ばしてきたが、あっさりすべてのファイヤーボールを消滅させた。 「早く来ればよかった。」 おっと戦闘中だった。 目の前の術者は右手から封魔剣を発動した。ただ形が僕の使用している封魔剣と変わっており槍のような形だった。 封魔槍? 「この犬泥棒が!」 「違う!勘違いだ」 「封魔剣出しながら私のポチに近づいていたくせに見苦しい!問答無用!」 言われてみれば確かにそう見えたかもしれない。 仕方ない正当防衛だ。 だが彼女もなかなか強かった。斬げきとともにファイヤーボールを変則的に打ってくるとさすがに避けるのが難しい。 長期戦かと思っていたがコントロールが難しいせいか変則的に放ったファイヤーボールがポチに向かっていった。 「危ない!」 僕はポチの目の前にダッシュで移動した。封魔剣で消滅させようと思ったが封魔剣が何と消えてしまった。 「あっ」 僕はポチを抱きかかえながら逃げたが間に合わず背中に鈍い衝撃が走ったと同時に気絶してしまった。
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