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私は今でも月に一度、通院している。
担当医もさくらも過保護で、もう何ともないのに通院しなければうるさいのだ。
通院日が毎月20日と決まっているのは連載をさせてもらっている雑誌の入稿日が19日だからだ。
毎回その日にはさくらがラパンで迎えに来る。
そして、明日が20日だった。
毎月、決まって病院で会う彼の顔を思い浮かべて寝る準備をした。
普段は滅多にしない美白パックを念入りに行っている自分と鏡越しに目が合って、女が私を見つめているように感じた。
パックを剥がして、顔のトーンが上がった女と見つめあっていた。
この女は私であると強く思った。
強く思わないと崩れてなくなってしまいそうだった。
明日も私でありますように。
もう二度と逃げることなんてしない。
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