126人が本棚に入れています
本棚に追加
亡き黄泉。
泣き呼び。
呼ぶ哭(な)き。
なき世に――
呼び方なんて何だってよかった。
名前なんて、ラベル以上の意味も価値もあるわけがない。
あれがこれで、これがそれ。
ただそれだけだ。
場所も時代も移ろえば、呼び名なんてものは変わる。
しかし俺がしたかったのは、そういった話ではなく。
変わらないもの。
いくらラベルをはり替えられても中身は変わるわけもない。
そういう話だ。
人間に忌み嫌われる。
嫌われる意味も知らないままに忌み嫌われる。
そういう話を俺はしたかったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!