第1章

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地域美化活動部、通称「びかつ」。学校内外で掃除や片付け及びその手伝い等をし、学校と地域に貢献することを目的とする部活。 私はこの『びかつ』に幼なじみと共に所属している。今わたしは小屋ーー通称『びかつ』の部室にいる。 本来なら部活の部室は部室棟と呼ばれる建物の一室をもらえるのだけど、色んな理由で部室棟からは離れた寂しいところにある。そんな部室にいるのはーー 「相葉さ……先輩」 私の肩が異常に反応してしまう。声をかけてきたのは唯一の男子部員である黒木優助だった。 そう、部室にはわたしと彼のみ。いつもならわたしの幼なじみもいるはずなのに。家の都合だから仕方ないけど。 私が振り返ると、彼はいっぱいになったゴミ袋を結んでいた。 「新しいゴミ袋はどこにあるのでしょうか?」 「え、っと……あの棚の中、です」 彼は感謝の言葉を言い、私が示した棚へ向かっていく。 わたしは2年生で彼は1年生。なのにわたしは敬語で接してしまう。
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