リア充、爆発しろ

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「……クリスマスイブね」 読書をしていたお嬢様は顔を上げると、ぼそりと呟いた。 「小さい頃は、他の子が羨ましかったわ。 サンタがプレゼントくれるんだーってはしゃいじゃって。 あんなの、父親なのに」   淋しそうに笑うお嬢様に、執事の片山は複雑な思いだった。 旧家である後宮(あとみや)家にクリスマスなどない。 「いまとなっちゃ、関係ないけどね」   皮肉たっぷりなお嬢様の笑みに、 片山が静かにため息をつく。 「……それで。本音はなんですか」 「……リア充、爆発しろ」 お嬢様の言葉に、片山があげた眼鏡の、 レンズがきらりと光った。 「では、これは必要ないですね」   片山の手の上には小さな箱。 「これをお受け取りになれば、お嬢様は爆発、 なさらなければいけませんし」 「……片山の意地悪」 ニヤリと笑う片山に、 赤くなるお嬢様なのであった。
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