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実際、かつて国外の戦場に立っていた時も、幾度も見破られて先のような対処を取られている。
だからこそのスムーズなオート制御への移行。マニュアル操作を崩されたなら、非マニュアルに頼れば良い。そもそもMGスーツの原型は障害者向けのパワードスーツなのだから、オートバランサーくらい備えている。
MGスーツは微量のスラスター噴射を小刻みに連続し、人間の技術でも勘でもない機械的な動作で姿勢を制御した。
飛翔用にオーバーなスラスター噴射を、コンピューターが行うわけもない。必然的に、MGスーツは重力に引かれて地に足をつけることとなる。
着地時と同時に機械の足が唸りを上げて、人間よりも遥かに重い自重を支えた。敵にとっては絶好の機会となる硬直だ。
だがナリデは瞬時にマニュアル操作へと移行、強制的に脚部と肩部スラスターを動作させて無理やり硬直をないものとした。
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