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それに、人の幸せとは多くの場合誰かの不幸の上に成り立つものである。当たり前だ。幸せとは、別の言い方をすれば贅沢であるのだから。
人の幸せとはある種の資源であり、有限である。地球上で生産できる幸せには限度があり、幸福を奪い合うのが現実だ。誰もが贅沢な暮らしを望んで、一つしかないパイを取り合う。
故に、21世紀末だろうと格差は続き、未だ地球は北と南で大きな経済的隔たりを形成していた。
つまり、変わらない。過去に人類が続けてきたものと、何ら変わらない光景。
つまり、延長線。
かと言って、強烈なディストピア一色に染められているかと言うと、そんなこともなかった。
AIが人を超えることで、主従に逆転が起きてしまうのではないかと。そんな危惧は幾度となく繰り返されてきた、現代における人類の問いであろう。
だが、終ぞAIは人にとっての悪になることはなかったのだ。
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