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「できると思いますよ」
と言ったのは聞いてないふりをして、聞いていた執事だった。
「砂姫様の力を持ってしてなら、門を潜り、あちらへ渡ることも可能かと思われます。
ですが―」
と彼は言葉を切った。
「空間の亀裂を抜けるときには、魂にかなりの衝撃を受けるでしょう。
もしかしたら、こちらでの記憶は消えてしまうかもしれません」
「いいわよ」
と砂姫は腰に手をやり言った。
「何度忘れても、絶対思い出すから。
私、しつこいの。
言ったでしょう?
私はまた必ず貴方を見つける。
私はまた必ず、貴方を好きになる―」
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