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力を与えてくれたのは、ウラノス?
そして、私を抱き上げ、連れてきてくれたのは―
やはり、ハデスなのだろう。
耳許で彼の言葉が聞こえていたから。
『太古の神に力を貸し、地上を騒がせたお前は、その罪により、もう二度と転生は許されないかもしれない。
だから―
もう一度だけ生きてこい。
お前が生きるはずだった、真実の人生を―』
懐かしい彼の唇が、わずかに額に触れた。
そうして、彼は建物の陰で冷えた地面に私の身体を横たえた。
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