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よろめきながら立ち上がった紅美は、額にかかる髪をかきあげ、周囲を見回した。
旧校舎は崩れ去っているが、他は変わりない、慣れ親しんだ学園だった。
だけど、もう此処には誰も居ない。
「海王……砂姫、
野上くん……」
もう居ない仲間たちの名を呼び、胸許に手をやる。
剣で突かれた傷口は消えていた。
「紅美様ーっ」
近づいてくるその呼びかけに答えようとしたとき、その声を押しのけるように、小さな影が新校舎の陰が飛び出してきた。
「……紅美ーっ!」
小柄な女が崩壊した校舎の破片を掻き分け、やってくる。
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