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俺は青山星希
大学二年生だ。
俺は高校一年生の時に大切な恋人を事故で亡くした……
これは今から三年前の春だった……
「夜空ー迎えに来たぞ~」
俺は恋人であった夜空の家に毎朝夜空を迎えに行く。
「今行く~!」
夜空は言う。
こうして毎朝夜空を迎えに行くのがとても楽しみで毎日が楽しかった……はずなのに……
俺は朝早く起きてテレビでニュースをつける。
すると……
「朝のニュースです。昨日夕方5時頃近くの公園前の道路で女子高生が大型トラックにひかれて亡くなりました。
被害者は空山夜空さん高校一年生です。
犯人は未だ捕まっておらず……」
俺はそのニュースを見てテレビのリモコンを落とす。
「空山……夜空?」
そして俺は急いで家を出て夜空の家に向かった。
そしてインターホンを何度もならす。
「夜空!迎えに来たぞ!」
するとドアがガチャッと開く……
「星希君……」
出て来たのは泣きくずれる夜空の母の姿だった……
「夜空は……」
俺は言う。
「夜空はもう……いないわ」
その言葉にやっと夜空が亡くなったと言う自覚に教われた。
そして俺は何も言わないまま夜空の家を後にした。
いつもは隣にいる明るい夜空の声も姿もどこにもない。
俺は涙よりも夜空を殺した奴の怒りと憎しみで泣くことすら出来なかった。
学校にいっても女子は皆夜空の死に泣くばかり……
そして俺は学校が終わるとすぐさま家に帰る。
帰った後思いっきり泣いた。
泣いて泣いて泣いて、自分が壊れるぐらい泣いた。
そのとき、「青山くん」
懐かしい声、ずっと聞きたかった夜空の声がしたのだ。
俺はすぐに家の外に出る。
そしてまわりに誰もいないことを確認する。
ため息をついて家に入ろうとする……
すると……肩をたたかれ振り向く。
そして俺は「え?」と声を出す。
そこにはなんと、いるはずのない星で出来た光り輝く夜空の姿があった。
俺は目の前の夜空の姿に息を飲んだ……
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