第1章

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広一『自立するってどういうことなんだろ?』 優『急に哲学的なこと言ってどうした?』 広一『いや、今の僕って兄ちゃんに養ってもらってる身なんだけど、その場合どうすれば自立したってことになるんだろってさ』 優『そりゃ普通に考えて一人で食っていければそれで自立したことにならないか?』 広一『いや、僕がいざ働いても兄ちゃん絶対仕送りとかすると思うし』 優『ああ……、お前の兄貴って物凄く過保護なんだっけ』 広一『だとするとその仕送りを使わない手は無いじゃん?そうするときっとその仕送りありきの生活になると思うんだ』 優『まあそうなるとあんま自立したとは言い難いな』 広一『人は助け合って生きているってよく聞くけど、それはほどよいバランスを保つためだよね。でもそのバランスが崩れてしまうと片方が、もしくは両方が駄目になるし』 優『そんな関係はいずれ破綻するものだしな。なら本人に断ればいいんじゃないか?』 広一『でも人の好意に首を横に振るのはちょっと悪いと思うんだ。それになんか子供が背伸びしてるみたいでなんか嫌だ』 優『お前くらいの年は少し背伸びしたくらいがちょうどいいんだよ。そんで恥ずかしい目にあってしまえ』 広一『嫌だよ!なんで馬鹿みたいなことしなきゃいけないの?』 優『中学生、特に中2は馬鹿なんだから馬鹿やったって悪くねぇよ。弾けたことして大いに失敗して転んでしまえ』 広一『馬鹿はお前だ!そんなことばかりしてたからそんな馬鹿になったんじゃないか?』 優『いいや、むしろ俺の中学生時代なんかすげー真面目だったぜ?周りが引くくらいな』
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