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広一『優が真面目?ちょっと冗談が過ぎるよ。名前に反した不良のような風貌、金髪オールバック、怖い目付き、どこに真面目要素があるのよ?』
優『いやいや、今はこんな成りだが昔はみみっちぃやつだったよ。一センチの誤差も許さないくらい』
広一『それ真面目というよりただの細かいやつだ!』
優『たださ、細かすぎるのも色々苦労がいるんだよ。それにこのままじゃまずいって思ってたからいっそのこと不真面目であろうとした』
広一『行きすぎのような気がするが』
優『部屋の掃除はしない、計量も目分量、テスト勉強はしない、とりあえずここから始めてみた』
広一『そこまで行くとそれはそれで病的だよ。というかよく大学受かったね』
優『まあ裏口入学だし』
広一『犯罪!?』
優『冗談だよ。ただこれをやってきて思うに自立って自分で好き勝手出来る事が出来る状況のことじゃねぇかな?』
広一『なんかニートみたいで自立っぽくない』
優『現実じゃそうかもしれんが、お前が訊いてきた自立ってようは心の自立だろ?ならこれは間違ってないはずだ』
広一『いやなんかちがくない?』
優『俺が言いたいのは、誰に言われる訳もなく誰かの力を頼りすぎず何かにがんじがらめにならないで自分の意思で動ければ、それは自立すると言っても良いんじゃないかってことさ』
広一『……自分の意思か』
広一『(自分の意思。別にない訳じゃない)』
広一『(だけど、今の僕は色々な意味で兄ちゃんの力に頼りすぎている)』
広一『(兄ちゃんの力が無ければ、守ってくれなければきっと生きていけない)』
広一『(それは多分自分を味方に出来ないでいるということなんだろう)』
広一『(僕が思うに自分を味方に出来ないでいる僕はきっと自立とはまだ程遠い)』
広一『(でも、時間が経てばそんなこともどうでもよくなる。結局、兄ちゃんに頼らざるえないんだから)』
広一『(みんな、いなくなるんだから)』
おわり
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